ささ読み小説 第7弾 「本を読みたい」

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こんにちは
シンディーです。
ささっと読める小説「ささ読み小説」第7弾です。

【本を読みたい】

僕は毎週日曜日はいつも同じ公園のベンチに座ってゆっくり過ごしている。
子ども連れで遊ぶ家族の賑やかな声が響き、時々僕の前を野良猫が素知らぬ顔で前に出てきて、ちらっと僕の方を見た後に通り過ぎていく。
Tシャツにデニム姿の僕は周りからどう見られているんだろうか。
ふとそんなことを思う。

僕は持ってきたリュックの中にある3冊のうちの一つを取り出して読み始める。
初めに言っておくことは僕は読書は普段しない。読むのはとても苦手だ。
漫画を読むのは得意だ。漫画なら1日ずっと読んでいられる。
10分ほど読んで、限界がきた。内容が全然入ってこない。
だんだん日差しが強くなってきて、暑くなってきた。
僕はコンビニで買ったお茶を一口飲む。
そして、周りを見渡してぼーっとする。携帯を確認したが、
特に新しいメールや電話も来ていない。連絡を頻繁に取り合う友達はいない。

「あれ?また会いましたね」

見上げると一人の綺麗な女性が僕のことを見ていた。
白と黒のドット柄のワンピースを着た女性で、目は大きく、鼻はすらっとしている。
薄く化粧したモデルのような女性だ。

「どうも、また会いましたね。」
僕はベンチにもたれかかっていたが、慌てて姿勢を正した。
「横に座っても良いですか?」
女性は笑顔でそう言いながら僕の隣の空いたスペースを指差した。
美しく白い手に太陽の光が差してまるで透き通っているように見える。
「どっ、どうぞ」
僕は明らかに挙動不審だ。
「いつも週末はここに来るんですか?」
僕は勇気を振り絞って聞いた。
「毎週日曜のこれぐらいの時間にこのベンチで本読んで過ごしてます。
この公園とこのベンチ好きなんですよね」
女性は周りを見渡しながら言った。
「そうなんですね。」
僕は毎週日曜のこのベンチに来たら会えることが分かり嬉しかった。
「確か2週間ぐらい前にお会いしましたよね?」
「はっ、はい。2週間前の日曜日です。ここで。」
僕は2週間前の日曜日にたまたまここに姪っ子を連れて遊びに来ていた。
「確かお子さんと?」
「ちっ違います。あれは兄貴の子供で、姪っ子なんです」
僕はすぐに訂正をした。
「そうなんですね。姪っ子さんだったんですね。」
女性は僕のおかしな反応を見て笑った。

それから色んな話をして、僕らは解散をした。
ハルカさんという名前、公園の近くに住んでいること、会社勤めなど色々なことを教えてもらった。初めて彼女を見たときに僕は一目惚れをした。もう一度会いたいと思った一心であれから日曜のこの時間にベンチに座っていた。
先週は予定があり、時間をずらしてハルカさんは来たらしい。残念ながら僕はその時はいなかった。でも、2週間ぶりは丁度よかったと思った。
さすがにまだ恋人がいるかどうかは確認する勇気がなかった。
会話の中から恋人を匂わせる話はなく、左手の薬指には指輪もなかった。
僕は本を読めるようになろうと思った。

【こんな感じで】

一目惚れした主人公が慣れない場所で、慣れない読書をする理由は一目惚れした女性にもう一度会うためでした。(下手すればストーカーですねw)
主人公は彼女ともっと話しをするために慣れないことに取り組もうとしています。人は強い動機があれば、苦手意識も克服したいと思えるパワーが湧いてきます。
例えば、先生に認められたくて苦手な数学を頑張るとかありますよね。
あなたは何か苦手なものを克服したいと強く思ったことはありますか?

読んでいただきありがとうございました。

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