ささ読み小説 第3弾「止まったまま」

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こんにちは
シンディーです。
ささっと読める小説「ささ読み小説」第3弾です。

【止まったまま】

「ねぇ、ユウくん、今日の晩御飯なににする?」
「う〜ん、ラーメンは?」
「この間もラーメンだったじゃん、本当好きだよね。」
「コトハ、実はさ、この間仕事帰りに新しいラーメン屋見つけてさ」
「ラーメンは却下です。」
「まじかよー。」
「当たり前じゃん、ユウくんラーメンばっか食べてるから体臭がとんこつの匂いするんだよ?」
「まじ?やべー、そんな匂いする?うそ?」
「嘘よ、すぐ信じるんだから。」
「焦ったやん。」
「じゃあ来週ラーメン食べいこ。新しいとこは来週連れてってね」
「わかった。じゃあ今日はどこ行く?」

そんな会話から5日後、僕は二度とコトハとそのラーメン屋に行くことができなくなった。

交通事故だった。横断歩道を渡ろうとしたときに、急に車が信号を無視して突っ込んできたんだ。

僕らはもう同じ空気を吸うことも、世間話をすることも、会うこともできない。

あれから1年が過ぎた。でも、僕らの時間は止まったまま、もう動くことはない。夜になると涙が溢れ出てくる。車をみ見ても、横断歩道を見ても涙が溢れてくる。
時間が止まったと同時に笑顔が消えた。

「あぁ、また泣いている。」
泣いていることに気づかなくなっている。

「もう一度彼女の笑顔が見たい。」
僕はそう願う。

「手を繋ぎたい、触れたい」
僕はそう願う。

どんなことを願ったとしても、もう叶うことはない。
僕は彼女を不幸にしてしまった。僕は彼女の人生を無茶苦茶にしてしまった。僕と付き合いさえしなければ、彼女の時が止まるなんてなかったはずだ。
どんなに後悔しても、もう遅い。

そうやって、僕は毎日を過ごす彼女をただ見守ることしかできなくなった。彼女を一人にした罪の意識を抱え、彼女の時が再び動き始めることを祈るしかない。

【こんな感じで】

いかがだったでしょうか。
交通事故にあって亡くなってしまったユウが、大切なコトハを見守る様子を描きました。

読んでいただきありがとうございました。

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