ささ読み小説 第12弾 「告白前」

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こんにちは
シンディーです。
ささっと読める小説「ささ読み小説」第12弾です。

【告白前】

去年の夏、僕は君と京都の街を歩いていた。
僕は、隣を歩いている君の手を握ることばかり考えていた。
「どうしたの?」
君は聞いてきたね。
「ん?なんもないよ?」
と僕は誤魔化した。
まだ僕たちは付き合っていなかった。
僕の中では付き合うという約束をしていなかっただけで
今回の旅行で約束をすると思っていた。
でも、いつ約束をするか僕は決めきれてなかった。
君が一緒に旅行に行ってくれると返事をくれた時点で
僕はもう約束したも同然だと思ったけど、
約束するまでは確信を持つことができない。
隣を歩く君は何を考えているのだろうか。
約束をしたいと思っているのは君も同じだろうか。
僕は男だから、僕から約束の合図は出さないといけない。
こんなにも緊張するものだと想像していなかった。
そう。僕は初めて彼女ができるかもしれない。
知り合ったのは大学のベンチだった。
僕はお腹が空きすぎて、急いでおにぎりを食べようとしていた。おにぎりを口に運ぼうとした瞬間、携帯がなった。僕はおにぎりを横において電話し始めた。
そして電話が終わり、おにぎりを食べようと横を見た瞬間、猫におにぎりを取られた。
僕は「ねこー!」と思わず叫ぶと、目の前に驚いた君が傷んだ。
一目惚れだった。猫におにぎりを取られたことなんて一瞬でどうでもよくなった。
君は事態を察すると僕の顔を見て笑い出した。
そして僕も思わず笑った。
それをきっかけに話すようになった。
僕はそれから君をデートに誘い、君は快く受け入れてくれた。そして僕らは何度かデートを重ねた。
君と一緒にいる時間はあっという間だ。
いつも何もできないまま終わってしまう。
君はそんな僕といても笑ってくれる。
ある日、僕は商店街の福引で京都へのペア旅行券を当てた。まだ何も進展してもないのに、君を思い切って僕は誘った。君は一瞬の迷いもなく承諾してくれた。
僕は喜びを隠しきれずに大声を出してしまった。
それを見て君は笑ったね。
そして僕らは今京都にいる。
沢山の人がいるのに、君しか見えない。
君以外気にならない。
楽しんでくれてるかな?
飽きてないかな?
僕と一緒に旅行にきたことを後悔してないかな?
君は僕を好きになってくれたのかな?
君の気持ちばかりを考えてしまう。
ふと路面店においてある髪飾りが目に入った。
あれは君に似合いそうだ。
プレゼントしたら喜ぶかな?
君は髪飾りするのかな?
君の好みは僕の好みと一致するのかな?
あー、頭の中は君のことばかりだ。
なんでだろう。
こんなにも分からないことが多いのに
どうしてこんなに温かい気持ちでいられるんだろう。
まだ僕たちは付き合っていない。
これから付き合うんだ。
でもそれは僕の中で決まっていることで
君の中で決まっているか分からない。
でも、僕は信じるんだ。
だって、こんなにも幸せな気持ちに満たされるのは初めてだから。

【こんな感じで】

好きになった女の子に告白をしたい男の子の気持ちを描きました。まだ付き合ってはない。でも、付き合えるかもしれない。そんな微妙な時間を描いたものです。

読んでいただきありがとうございました。

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