ささ読み小説 第22弾 【腐れ縁】

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こんにちは
シンディーです。
ささっと読める小説「ささ読み小説」第22弾です。

【腐れ縁】

タツヤはコーヒーを一口飲んで、ほっと一息ついた。

「お前はどうしてそう言い切れんの?」
僕はタツヤに聞いた。
「そりゃあ、俺が決めたからだよ」
タツヤは真っ直ぐに躊躇いもなくそう答えた。
「そっか」
そのタツヤの答えに僕は何も言えなかった。

タツヤは小さな頃からの幼馴染で、いつも僕のできないことをやってのけた。自分の言いたいことを相手にハッキリ伝えたり、自分のやりたいことを行動に移したり、人になんと言われてもそれをやり通した。

「なんでそんなふうに生きれるの?」
僕は高校の時、タツヤに聞いた。
「それは俺の人生だし、俺がやりたいように、生きたいように生きる。」
タツヤはそう答えた。
タツヤの行動や発言は、いつも僕の心を包む手を引き剝がし、心をグッと掴んでくる。
僕はそれを嫌だとは思っていない。むしろ感謝している。
いつも僕が沈みそうになる手を力一杯引き上げてくれているからだ。

僕はいつの間にか

「タツヤのようになりたい」
「タツヤのように生きたい」

と思うようになった。タツヤの生き方を肌で感じるたびに、自分を奮い立たせた。
そして自分を変えようと行動に移した。
そのおかげで昔の僕では想像できないような沢山のことが今はできるようになった。
自分の本心を聞けるようになったし、それに沿って生きることができ始めた。
もちろんまだ恐怖や不安が僕をまた沼地に引っ張ろうとする。
前まではタツヤに引っ張りだしてもらうしかなかった僕だけど、
僕自身の力で沼地から出られる時も増えてきた。
時々沼地に入っていたことをタツヤから気づかされる時もあるので、
その時はタツヤに引っ張り出してもらう。

もしかしたら僕がタツヤを引っ張りだすこともあったのかもしれない。
ただそこはいちいち確認はしない。前はただの憧れだったタツヤと今は対等に生きている気がする。良い意味でライバルのような、仲間のような、お互いを高め合える存在に慣れている気がするんだ。

タツヤとは自分が目指すゴールの話や色々な考え方や捉え方の話など、会った時の話は尽きない。話をした後は、いつも何かを見出せたような感覚で家に帰ることができる。

これは本当に良い習慣になっていると思う。
いつかはタツヤと僕の他にもそんな高め合える仲間が見つかるかもしれない。
そしたらまたさらに僕らは大きくなるんだ。

そして段々と仲間ができて、チームができるんだ。
例え仲間が増えたとしても、俺とタツヤの関係性は変わらないだろう。
お互いがお互いに感化され、前に進む関係。
お互いがそれぞれの目標を掲げ突き進む。
そしてお互いがどんどん成長していくんだ。

「よう、今日行きたいとこがあるんだけど?」
どちらかがこう連絡してきて、
「よし、行こう」
どちらも迷わず返事する。

さあ、前に進もう。

【こんな感じで】

主人公と幼馴染の関係を描きました。
よく「腐れ縁」とか言いますよね。そういった関係にはお互いが足りないものを補ったり、お互いが相互に作用しあったりする関係性があると思います。

「あいつといると落ち着く」

「あいつといるとやる気が出る」

という感じで物ではない何かを渡し合っているんじゃないかなと思います。
そういった人がいるからこそ強く、前を向いて歩いていけるのかもしれません。

あなたはどうしていつもその人と一緒にいるのですか?

読んでいただきありがとうございました。

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