ささ読み小説 第10話 「クリスマス 全ては笑顔を見るために」

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こんにちは
シンディーです。

ささっと読める小説「ささ読み小説」第10話です。

【クリスマス 全ては笑顔を見るために】

「今どこにいるの?」
「今ね、ちょっと家にいる」
「うそ?なんか家にしては騒がしくない?」
「えっ、いやテレビの音」
「そっか、早く体調治してよ」
「あのさ、来週の土曜日さ俺の家に来ない?」
「来週の土曜?空いてるけど、どうしたの?」
「いや、今日会えなかったから、埋め合わせにご飯ご馳走するよ」
「えっ、料理作ってくれるの?」
「うん、カオリのために作るよ。」
「包丁も全然うまく使えないじゃん」
「いや、大丈夫。頑張るから」
「わかった。じゃあ、楽しみにしてるね。」
「うん、じゃあ土曜日ね」
僕は電話を切ると、ほっと一息ついた。
今日実はカオリにデートに誘われたが、体調不良を理由に断った。
なぜなら来週の日曜日はカオリの誕生日だ。
その準備のために今日は嘘をついて一人で外に出てきた。
カオリのせっかくの誕生日に僕の手料理なんかでぶち壊したくないので、
今日はカオリの好きそうなレストランを探すことにした。
その前にプレゼント選びだ。
ブレスレット、ネックレス、ピアス、財布、過去にあげたものだ。
今回は何にしよう。カオリは何を気に入ってくれるだろう。
そんなことを考えながらお店を見て回る。店員さんとも話をしながらプレゼントを探すが、勧められるのは流行りのものばかり。これを買えば沢山の人とお揃いになりそうで嫌だ。
どうせなら他の人が持ってそうにないものをあげたい。できればたった一つのものが良い。
でも、有名なお店に行けば行くほど皆んなが持ってそうなものばかりだ。
無名すぎるブランドもなんか嫌だ。
わがままだと思うが、好きな人に喜んでもらいたい。
だから、ギリギリまで粘るつもりだ。そうやってずっと探して回り、いつの間にか夜になった。あと少しの時間でお店が閉店してしまう。
カオリに何が欲しいか聞いてみようか。そう考えたが、それではバレてしまう。
最後まで諦めてたまるか。きっと良いものが見つかるはずだ。
そして閉店5分前に寄ったお店でとても綺麗で手作りの髪留めがあった。
根拠はないが、カオリが喜ぶに違いないと思った。
そして僕は髪留めを買うと、今度はレストラン探しを始める。
こんなに外は冷えるのに、シャツの下は汗をかいていた。
全ては好きな人に喜んでもらうため。
そのためならまだまだ頑張れる。

そしてお祝い当日が来た。
手料理をご馳走する予定がキッチンのコンロが壊れたため、急遽レストランを予約したと嘘をついた。そしてレストランで食事をして家で気にいるか不安になりながらプレゼントを渡す。

恐る恐るカオリの顔を見ると、カオリは満面の笑顔で「ありがとう」と言いながら抱きしめてくれた。

これだ。
毎年この笑顔を見たくて生きているのかもしれない。
毎回そう思うんだ。

【こんな感じで】

今回はクリスマスプレゼントを一生懸命探す主人公を描きました。
毎年これだけ頑張る彼氏ですが、本当は彼女は全てお見通しだったりするんですよね。
知っていながら、知らないふりをしてくれるんですよね。
それが楽しいのか、優しさなのか分かりませんが、クリスマスは沢山のカップルが幸せな時間を過ごせると良いですね。

読んでいただきありがとうございました。

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